2025.04.25 【掲載:稲垣教授】ChemSusChem誌
薬学部・有機反応化学研究室 稲垣冬彦教授らの研究論文がWileyのChemSusChem誌にオンライン掲載されました。ChemSusChem誌掲載ページ

また、ChemistryViewsのサイトにて本論文が紹介されました。

タイトル:Solvent-Swing CO2 Capture with Aralkylamines
著者:Ryo Murakami, Hiroto Tanishima, Risa Otsuka, Ayaka Uchida, Narumi Iwamoto, Fuyuhiko Inagaki
溶媒の添加で室温CO2放出に成功
―省エネルギー型カーボンニュートラル技術―
地球温暖化対策として注目されている「カーボンキャプチャー&リサイクル(CCR)技術」。なかでも、化学的に二酸化炭素(CO₂)を吸収・放出できる有機アミン類の研究は、その高い効率性から世界的に注目を集めています。
私たちの研究グループでは、CO2と反応したアラルキルアミン複合体に有機溶媒を加えることで、室温でCO₂を放出可能とする反応系を開発しました。従来はCO₂を放出するために加熱が必要とされてきましたが、溶媒の添加によって加熱を伴わないCO2放出が実現できることを明らかにしました。これにより、これまで高温加熱を要したCO₂の放出工程が、大幅なエネルギーコストの削減とともに実現可能になる道が開かれました。
本成果は、本研究は、CO₂回収・再放出のエネルギーコストを大幅に削減しうる新しいアプローチとして、カーボンニュートラル技術の基盤構築に寄与する可能性を持っています。