2024.11.05 【掲載:武田教授、中川左教授、池村講師ほか】VRを用いた薬学教育ツールの有用性を評価した論文
薬学部の武田真莉子教授、中川左理教授、池村舞講師らのグループは、薬剤師業務の効率的な修得を目的に、企業と共同で「仮想現実」(バーチャルリアリティー; VR)を用いた教育ツールを開発し、その有用性を明らかにしました。本研究の成果は、薬学雑誌にて発表し、掲載号ごとに1報のみ選ばれる「おすすめ記事」として紹介されました。
武田教授らのグループは、バーチャル技術の研究・開発を行うイマクリエイト株式会社、富士フイルムシステムサービス株式会社と共同で、薬剤師業務に必要な技能の修得・向上を目的としたVRトレーニングツールの開発を行ってきました。今回、「水剤の調製」の修得にVRトレーニングツールが有用であることを、初学者である薬学部4年生を対象に科学的に検証しました。その結果、学生は、VRトレーニングツールを用いて学習することで、テキストによる従来の学習と比較して、水剤の調製を効率的に修得し、短時間で調製を行うことができました。このことから、VRトレーニングツールは、優れた学習効果のある教育ツールであることが示唆されます。また、VRトレーニングツールを体験した学生からは、実際の調剤をイメージしやすい、ゲームのように楽しみながら学習できる、などの意見が多数ありました。これらのことからも、VRトレーニングツールを用いることで、実践レベルに近い学生教育を効率的に行えるものと考えられます。
論文が掲載された薬学雑誌は、1881年に創刊された薬学研究の歴史ある学術誌です。号ごとに、編集者により、おすすめ記事が選ばれます。このたび、本論文が選ばれ、本論文の注目度の高さが伺えます。
【論文情報】
掲載誌:薬学雑誌
論文タイトル:薬学生の臨床準備教育における技能修得を促進するVirtual reality (VR) トレーニングツールの開発とその教育効果の検証 ―水剤の調製―
著者:池村 舞、江角 悟、中川 左理、辰見 明俊、橋本 保彦、上町 亜希子、江原 里佳、原田 未穂、竹澤 唯、武田 真莉子
(*責任著者)
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VR研究は、2021年度(代表:武田教授)、2022年度(代表:武田教授)、2024年度(代表:江角講師)の神戸学院大学教育改革助成金により実施しております。