2021.07.01 【掲載:中川教授】科学情報誌Impact(英国Science Impact社発行)
英国Science Impact社が発行している科学情報誌Impactに、本学薬学部 中川公恵教授が取り組んでいる「心血管疾患予防・治療への応用を目指した新たなビタミンKの機能に関する研究」の記事が掲載されました。
ビタミンKは、血液凝固や骨形成に働く脂溶性ビタミンです。我々が日常摂取しているビタミンKは、主に緑色野菜に含まれるビタミンK1や納豆などの発酵食品に含まれるメナキノン類で、これらは体内で各組織に発現するビタミンK変換酵素(UBIAD1)によりビタミンK2(menaquinone-4: MK-4)に変換されています。MK-4はビタミンKの中で最も生理作用が強く、他のビタミンK同族体にはない様々な作用を示すことがわかっています。この研究では、ビタミンKを変換する酵素であるUBIAD1やビタミンKが、心臓や血管の構造と機能を維持するために必要不可欠であることを解明しています。このような研究は、わが国の主要な死因である心疾患に対し、ビタミンKという栄養素から予防・治療法を提案するという新たな知見に繋がることが期待されます。
今後はさらに、様々な組織におけるビタミンKの新たな役割を解明し、疾患の予防や治療に繋げ、得られた知見を広く発信していきたいと考えています。
Impact vol.2021, No.5, pp. 37-39に、“Elucidation of new vitamin K function aiming at application to cardiovascular disease prevention and treatment”として掲載されています。
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https://www.ingentaconnect.com/content/sil/impact/2021/00002021/00000005/art00014
<掲載誌情報>
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(文責:中川公恵教授)