2020.07.06 コロナ進化論:あなたはイチョウor恐竜?(卒業生:横田さん)
みなさんはじめまして、卒業生の横田です。
いきなり誰だ!?と大半の人は思うでしょう。
私は2017年に神戸学院大学を卒業後、カリフォルニア州にある薬学部に入学し、今年5月に卒業、現在はマサチューセッツ州にあるクリニックで薬剤師レジデントとして働いています。
“自由の女神が象徴のアメリカは皆平等に自由を有する国”…そんなキラキラした画を脳内で思い浮かべながら満面の笑みで渡米したわけですが、コロナの下ではアメリカであっても自由はない。
パンデミックが本格的になってきた当初、カリフォルニア州ではマスク着用必須、レストラン・デパート・娯楽施設・市役所・銀行など全て閉鎖、自宅での自粛など、かなり厳しい制限が課せられていました。
また、知人の家族全員がコロナウィルスに感染する、実習先の私が所属していた病棟にコロナウィルスに感染した患者さんが複数いるなど、パンデミックの影響を身近で感じていました。
一方、パンデミックによって仕事を失った人達が出現し、歴史的に続く人種差別に加え貧困格差への問題にも滑車がかかり、デモに紛れて暴動が起きたり…マスク着用反対デモが起こったり…家の周りには毎日パトカーの音が鳴り響き、近くのお店のガラスが破られ、渡米当初の私には考えられない光景が広がっていました。
しかし、それらは市民からの平等な自由を求める訴えでした。
この前ふと母が、『私達もダーウィンの進化論で淘汰されているねぇ』とつぶやきました。ダーウィンの進化論と聞くと、何億年前に恐竜やマンモス、または現在の絶滅危惧種のみじゃないん!?と思ってしまいますが、確かにパンデミックによって私たちの生活はガラリと変わったことはある一種の淘汰なのではないかと思います。
しかしこの大きな変化によって新たな可能性が生み出される。
真夏のマスク着用により夏用の涼しいマスクが出現したり、
授業のオンライン化によってパソコンが使えるようになったり、
通学時間がなくなったおかげで有効活用できる時間が増えたり、
その時間のおかげで美味しいパンやケーキが作れるようになったり、
リモート飲み会が流行り終電や運転を気にせず楽しめるようになったり。
アメリカの薬剤師界では
さらに多くの処方箋が電子化されたり、
電話カウンセリングによって患者さんの時間・経済的な負担が軽減したり、
少しの健康の乱れに対しては病院に訪れる前にセルフケアをする動きが強まったり、
会議やプレゼンテーションがオンライン化されたためより多くの人が参加できるようになったり、
沢山の変化が生まれました。
みなさんも、慣れない授業環境に苦戦し、行きたいレストランに行けず、会いたい人にも気軽に会えず、様々な自由が奪われていることと思います。
これは今まであった生活の自由が奪われる事で、新たな自由を探し出すチャンスなのかもしれません。
絶滅してしまった恐竜やマンモス。生き延びたイチョウ。
みなさんはどのような道を歩みますか?
卒業生 横田 麻衣